【手術後6日後:見返り】
私は今日から仕事。
チームの子たちがほとんどやってくれていて、私がいなくても実務はだいぶ回るようになってきている。自分でやりたいとか、自分なら早い、とかそういうのは、だいぶ前に捨てたと思う。誰でもできるし、誰でも失敗する。誰がやっても同じで、同じじゃない。そうやって成り立っているから、助かるし、イライラする。私にしかできないことは何なのか、相当集中して仕事をするようになった。採用とか契約とかね。
採用が一番難しい。人が一番ね。
仕事忙しいのか?と、この前兄が来た時に話をしたことを思い出す。
ううん。今はね、実務はほとんどメンバーに渡しているから、ね。採用とか、研修の企画とか、お客様との契約とかそういうの、やってる。
休んでいる間、ぽつぽつとメールや電話で仕事のことを話していても、難しいことは、やっぱり職場に来てやった方がもちろん頭に入る。私は切り替えることが苦手だ。
今朝は、病院に寄ってコーヒーと着替えのパジャマを置いてから出てきた。
私は、パパが入院してから、毎日コーヒーをミルで挽いて、コーヒーメーカーで落として、病院へ運んでいた。
なんでかというと、パパが毎日家にいるときにそうしていたから。旦那さんは、毎日、キチン、キチンとやることが決まっていた。それはお祈りのように、定期的な動きで、私には理解できないこともあった。私は、毎日おんなじとか、無理だから。
そんなわけで、できたらおんなじがいいかもしれないと思って、毎日コーヒーを運んでいる。
旦那さんは、
マイニチ タイヘンダカラ イイデスヨ ナクテモ 大丈夫デス
ベンディングマシーンデ カイマス
と言っていた。
でも、私は毎日、持っていった。これは私の自己満足で、旦那さんが喜んでくれたらそれはうれしいけれど、やらない自分を許せない勝手な行動だ。あ、一日だけ、休んだんだったな。自分が後悔したくないという、それだけ。わがまま。
旦那さんはお休みしてもたぶん許してくれるし、ダイジョウブっていうと思う。でも、届けたらオイシイとごくごくと飲むのだから、やめられない。それだけで十分だと思った。
自宅は、帰ってきても大丈夫なように、もう少し家の中を片付けようと思ったのに、そんなことは全然できない。散らかったままだな。今日は仕事だから、帰ってきたら食事の前に少し片づけたいな、などと淡い淡い淡い意思。
仕事が終わっていま、会社をでたところ。
さ、これから帰って、病院に行こう。